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「会社から帰宅後、何をしていますか?」もしこの問いに明確な答えがなく、漫然と日々を過ごしているとしたら、あなたはもしかしたら、長年変わらない現状に少し物足りなさを感じているかもしれませんね。日中にフルタイムで働いている私たちにとって、自身の未来を変える可能性を秘めた時間は、早朝か帰宅後しかありません。しかし、「疲れていて何もする気になれない」と感じる方も少なくないでしょう。

実は、この「疲労感」こそが、人生をより豊かにするチャンスを秘めているのです。獣医師として多忙な日々を送る中で、平日も自分らしく生きる方法を見出したリュ・ハンビン氏の著書「人生をガラリと変える帰宅後ルーティン」から、向上心のある20〜40代の皆さんに響く、具体的な「平日を自分らしく生きる」ための秘訣をお届けします。読み進めるうちに、あなたの帰宅後の時間が、発見と成長に満ちた「第二の人生」へと変わるきっかけとなることを願っています。

1日を「帰宅前」と「帰宅後」に分ける意識を持つ

多くの人は、平日を「仕事をする日」、休日を「自分のしたいことをする日」とくっきりと分けて考えています。しかし、この考え方こそが、私たちを「24時間ずっと働いているような気分」にさせてしまう原因だと、本書は指摘しています。

そこで提案されているのが、平日を「帰宅前」と「帰宅後」の2つに分けるという意識です。1日24時間のうち、睡眠時間を除くと、休憩を含めても実際に働いている時間は9時間程度。通勤や風呂、家事、食事などを差し引いても、1日に3〜6時間は「働いていない時間」が存在するのです。この時間は決して短くありません。この時間の使い方次第で、副業で稼いだり、筋トレをしたり、新しい友人を作ったりと、可能性は無限に広がります。

仕事で疲れているのに、なぜ「帰宅後」に活動するべきなのか、疑問に感じるかもしれません。精神的にも肉体的にもボロボロな状態で、英語の勉強や動画編集といった「苦痛」を伴う活動を強いる必要はありません。重要なのは、「自分の好きなこと」をすることです。好きなことは、私たちのエネルギーを奪うものではなく、むしろ満たしてくれるものです。たとえ仕事がうまくいかない日があったとしても、帰宅後に「第二の人生」が始まると思えれば、平日も生き生きと過ごすことができるようになるでしょう。

サラリーマンは「命綱」!安定があるからこそ挑戦できる

「会社員として働くことは、夢を追う上での足枷になるのでは?」そう考えている方もいるかもしれません。しかし、本書は**「安定感のあるサラリーマンだからこそ、自由な挑戦ができる」**と説きます。

サラリーマンであれば、毎月会社から給料が出ますから、生活は安定しています。この「経済的な安定」こそが、新しいことに挑戦するための大きな土台となるのです。YouTubeや小説執筆、プロゲーマーといった夢を、本業を続けながら追いかける人が数多く存在するのは、この安定感があるからに他なりません。帰宅後の3〜5時間を有効活用すれば、まさに「一発逆転」を狙うことも可能な時代に、私たちは生きているのです。

思い切って会社を辞めて好きなことで生計を立てることは、非常に困難でリスクが高い選択です。会社が10年続く確率がわずか6.3%という数字からもわかるように、個人で事業を成功させるのは並大抵のことではありません。しかし、サラリーマンという「命綱」があれば、たとえ副業や挑戦がうまくいかなくても、精神的なダメージは最小限に抑えられます。会社から得られる給料があるからこそ、心にゆとりが生まれ、本当にやりたいこと、世の中の需要よりも自分の「好き」を貫き、思い切って色々なことに挑戦できるのです。まずはサラリーマンとして安定を確保しつつ、小さなことから試していくのが賢明な選択と言えるでしょう。

「合わない」は成功への一歩!とりあえず試して断念しよう

「帰宅後に何をすればいいのか、なかなか見つけられない」と感じることは自然なことです。面白そうだと感じて手を出してみても、「何か違う」と感じることはよくあります。大切なのは、最初から「当たり」を見つけようとしないことです。

本書では、気になることを全て試してみて、合わなかったらすぐに断念するというサイクルを繰り返すことを推奨しています。なぜなら、失敗した数だけ、本当に自分にぴったりのものを見つけられるようになるからです。著者自身も、インスタのインフルエンサー、ダンス、ミュージカル俳優、ウェブ漫画、ブログ、書評YouTubeチャンネルなど、数多くのことに挑戦し、その多くで挫折を経験しています。その結果、最終的にYouTubeでの情報発信と動画編集に行き着いたのです。

帰宅後の時間は限られていますし、疲れている状態ですから、楽に継続できるものでなければ続きません。では、自分に合うものとは何でしょうか?それは、**「調子が悪い日でもやれること、またはやりたいと思えること」**です。絶好調の時は何でもできますが、本当に大事なのは、たまにやってくる「調子が悪くて何もしたくない日」でも、自然と取り組めることなのです。疲れていても、ゲームをしたり、趣味に没頭したり、目つきが輝くような活動であれば、それがあなたに合った「帰宅後ルーティン」の種となるでしょう。今の時代、YouTubeでもTwitterでもブログでも収益化できる可能性があるので、思いつく限り色々なことを試してみてください。本業があれば、失敗してもノーリスクに等しいのですから。

副業で「もう一つの価値」を見出す!自己肯定感を高める方法

会社員という「命綱」は私たちを支えてくれますが、一つだけリスクがあります。それは、会社での評価が、まるで自分の価値そのものであるかのように感じてしまうことです。会社での評価が悪ければ、「自分には価値がない」と感じて自信をなくしたり、同僚や後輩から軽んじられることさえあるかもしれません。また、会社にお金を握られているため、残業を頼まれてもなかなか断れない、といった状況に陥る人もいるでしょう。

しかし、副業を開始して稼げるようになったり、あるいは帰宅後に自分の生きがいとなる活動を持つことができれば、状況は一変します。たとえ会社での評価が低くても、「自分には会社では評価されない別の価値がある」と感じられるようになり、自己肯定感が向上するのです。特に、副業で十分に稼げるようになり、「いつでも会社を辞められる」という状態になれば、会社からの無理な要求もきっぱりと断れるようになるでしょう。

このように、大変ではありますが「二足のわらじ」を履くことは、自分の評価が一方に偏るのを防ぐ効果があります。会社での評価に一喜一憂するのではなく、自分自身の力で築き上げたもう一つの価値があると感じることで、より安定した精神状態で日々を過ごせるようになるはずです。

心の底から「叶えたい」目標を明確にする

帰宅後の時間を有効活用し、人生をより豊かにするためには、「心から叶えたい」目標を持つことが非常に重要です。人は、心の底から達成したいと願う目標のためであれば、どんなに大きな壁が立ちはだかろうとも、努力し続けることができるからです。

例えば、「どうしてもYouTubeでチャンネル登録者数100万人を突破したい」という目標があれば、たとえ動画編集が辛くても頑張れますし、どうすれば動画が伸びるのかというアンテナが常に立ちます。仕事終わりでも自然とパソコンに向かえるようになり、工夫も生まれるでしょう。野球選手の大谷翔平選手が高校時代に「8球団ドラフト1位」という目標を掲げ、それを達成するために具体的な行動を記したように、心から望む目標は私たちを突き動かす原動力となるのです。

目標を立てる際に注意すべき点があります。それは、「他人からかっこいいと思われたい」「親から立派だと思われたい」「他人を見返したい」といった、「他人を意識した目標」にならないようにすることです。他人の評価をモチベーションにすると、動機が弱く続きにくいだけでなく、他人の行動はコントロールできないため、最終的に目標が達成できたとしても、期待通りの結果が得られない可能性があります。大切なのは、他人がどう思うかではなく、「自分がどう思うか」を最優先に目標を立てること。心から「これを達成したい!」と思える、自分だけの目標を見つけてみましょう。

大谷翔平も実践!マンダラチャートで目標を現実にする

心から叶えたい目標が見つかったら、次にやるべきは、その目標を達成するための具体的な計画を立てることです。そこで本書が推奨しているのが、野球選手の大谷翔平選手も活用していたことで有名な**「マンダラチャート」**です。

マンダラチャートは、思考を整理し、深め、優先順位を明確にすることで、目標達成を格段に容易にするツールです。使い方はシンプルです。

  1. まず、中央のマスに**「本当に達成したい目標」を1つ書き込みます**。
  2. 次に、その周囲にある8つのマスに、目標を達成するために**「必要な8つの要素」を記入します**。
  3. さらに、この8つの要素をそれぞれ達成するために、具体的な「行動目標」を書き込んでいきます

例えば、「彼女を作る」という目標であれば、周囲の8要素に「美容」「健康」「メンタル」「出会いの数」などを書き込み、そこからさらに具体的な行動(「人気の美容師に髪を切ってもらう」「ホワイトニングで歯を白くする」など)をリストアップしていくのです。

なぜこのような面倒なことをするのか?それは、人はすぐに忘れてしまう生き物だからです。メモに残しておかないと、自分の目標や、そのために何をすべきか、なぜすべきかを忘れがちになります。これでは、毎回思い出す手間がかかりますし、帰宅後や休日に目標をすっかり忘れてダラダラと過ごしてしまうことにもなりかねません。マンダラチャートを作成し、できればプリントアウトして、ドアや冷蔵庫、トイレなど、常に自分の目に触れる場所に貼っておくことをお勧めします。そうすることで、目標と、それに向けて取るべき行動が常に意識され、着実に実行に移せるようになるでしょう。

あなたの時間はどこへ?「時間がない」を「見える化」する

「平日には自分のために使える時間なんて1時間もない」と感じている方もいるかもしれません。しかし、そういった人の多くは、無意識のうちに時間を使いすぎていることが非常に多いのです。

例えば、料理に1時間かけたり、通勤に2時間かけたり、洗濯物に30分使ったり、SNSを1時間見たり、メールチェックを1日に5回したり、といった行動が、知らず知らずのうちに貴重な時間を奪っています。もしこれらの活動があなたの目標に繋がらないのであれば、時間の使い方を見直す必要があるでしょう。

そこで本書が推奨するのは、家計簿のようにお金ではなく**「時間」を管理する**ことです。具体的には、1時間ごとの行動を記録し、何に時間を使っているのかを把握するのです。これは一見面倒に思えますが、「時間がない」と感じる人にとって、非常に価値のある取り組みです。お金がない人が無意識に無駄遣いをしているように、時間がない人もまた、意識せずにつまらないことにお金や時間を使いすぎているのです。

自分がどんな時間の無駄遣いをしているのかは、意識しなければ改善できません。記録を元に、例えば料理の時間を時短したり、職場近くに引っ越したり、乾燥機付き洗濯機を導入したり、メールチェックの回数を減らしたりするなど、具体的な改善策を講じることができます。自分の時間の使い方が「見える化」されることで、より賢く、目標に直結する時間の使い方へと変わっていくでしょう。

完璧でなくていい!「毎日続ける」ための小さな一歩

マンダラチャートを作成し、愚直に毎日実行し始めても、やがて壁にぶつかる日が来るでしょう。帰宅後は疲れていますし、サラリーマンが使える時間は限られています。無理をすれば夜更かしになり、体調を崩したり、ストレスが溜まったりすることもあります。

そんな日こそ、目標を「優しく」してでも、毎日続けることが何よりも大切だと本書は伝えています。例えば、「毎日動画編集を2時間する」という目標があったとしても、本当にきつい日は「1時間」に下方修正したり、さらに「5分だけ」でも良いのです。

「たった5分で何になるんだ?」と思うかもしれません。しかし、全くやらないと、そのまま継続が途切れてしまうことが非常に多いのに対し、「ちょっとだけやる」ことで、その流れで1時間続けられたりすることもあります。たとえ少しだけでも、「できた」という小さな達成感が継続の原動力となるのです。著者自身も、体調が悪い日や読書をする気にならない日でも、とりあえず1ページだけでも読む、といった工夫で毎日続けるようにしているそうです。完璧を目指すのではなく、「毎日続ける」ことに意味を見出す姿勢が、長期的な成功へと繋がるのです。

孤独を打破!同じ志を持つ仲間と「共闘」する

帰宅後に一人で黙々と目標に向かって頑張ることは、時に孤独を感じ、心が折れそうになるものです。人間は、自分自身との約束は簡単に破ってしまうのに、他人と交わした約束はなかなか破れない、という性質を持っています。

だからこそ、本書は**「一緒に頑張る仲間がいるコミュニティへ参加すること」**を強く推奨しています。自分と同じような目標を持っている人たちと活動を共にすることで、大きなメリットが生まれます。例えば、副業で稼ぎたいなら同じような目標を持つコミュニティへ、筋トレなら筋トレを頑張る人がいるコミュニティへ参加する、といった具合です。

コミュニティに参加することで、自分よりも遥かに厳しい環境で努力している人や、思いがけない良質な情報に触れたり、良きライバルに出会えたりする機会が生まれます。これにより、一人で挑むよりもはるかに粘り強く、挑戦を続けることができるようになるでしょう。目標達成に向けて、モチベーションを維持し、困難を乗り越えるためにも、ぜひ「共闘」できる仲間を探してみてください。

まとめ:知識を定着させる最後のインプット

ここまで、リュ・ハンビン氏の「人生をガラリと変える帰宅後ルーティン」から、平日を自分らしく生きるための重要な考え方と具体的な行動について解説してきました。あなたの向上心に火がつき、明日からの帰宅後が、発見と成長に満ちた時間となることを心から願っています。

最後に、今回の記事の要点を箇条書きでまとめておきます。繰り返し読むことで、知識をより深く定着させ、あなたの行動に繋げていきましょう。

  • 1日を「帰宅前」と「帰宅後」に分け、帰宅後に「好きなこと」をする意識を持つ
  • 安定感のあるサラリーマンだからこそ、低リスクで自由に様々な挑戦ができる
  • 「合わない」と感じたらすぐに断念し、色々なことを試して自分に合ったものを見つける
  • 帰宅後の活動で「もう一つの価値」を見出し、会社での評価に左右されない自己肯定感を高める
  • 他人を意識せず、心の底から「自分が叶えたい」目標を明確に持つ
  • 目標が決まったら、マンダラチャートを使って具体的な短期計画を立て、見える場所に貼っておく
  • 「時間がない」と感じるなら、1時間ごとの行動を記録し、無意識の無駄遣いを見つけて改善する
  • 完璧を目指さず、クオリティがそれなりでも「毎日続ける」ことに意義を見出す。たとえ5分でもOK
  • 一人で抱え込まず、同じ目標を持つ仲間がいるコミュニティへ参加し、共に高め合う

この記事が、あなたの「読むたびに発見がある、記憶に定着する備忘録」の一部となれば幸いです。

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